あやかしがたり

「山手なんかどうでもいいに決まってんだろ。こんな陰気な土地、勝手に滅びりゃいいんだ」
新之助はつまらなそうに言う。
「でも、誰かの我侭で滅ぶのは違う。お袋みてぇになんの関係もないのに割り食う奴がいる。兄貴みてぇに必死に働いてる奴がいる。……親父みてぇに何かを残そうと頑張ってる奴がいるんだ。それを手前勝手な理由で潰すなんて許せねぇんだよ」

おー、これは面白い。見鬼の才に悩む藩士新之助が、何者かに命を狙われて、というお話なんだけど、旅の途中で出会った拝み屋ふくろうと猫娘ましろとの良い感じに盛り上げてくれる。お家騒動とかいろいろあるんだけど、覚悟を描きつつ、コミカルさとちょこっとラブ模様も見せてくれて良かったです。続き出てくれたら嬉しい。→ 感想