芙蓉千里

女将は改めてフミを見下ろした。我ながら、やきが回ったとしか思えない。
日本ならまちがいなく売れない娘だろう。しかしここは哈爾濱だ。何があるか分からない。ひょっとしたら、ひょっとするかもしれないではないか。
期待はしない。断じてしていないが、ひょっとしたら。

異国で女郎を目指す少女のお話。物怖じせずに突き進む少女の姿が魅力的。もちろん不安もあるんだけど、出会いが多くの支えを生んでくれて成長していく姿に惹かれました。舞はいつみても心奮わせるものがある。彼女だけでなく「酔芙蓉」にいる女郎たちの物語も印象的でした。これはぜひとも続きを!ですね。→ 感想