我が聖都を濡らせ血涙 魔術士オーフェンはぐれ旅(8)

「違うさ。いつ死ぬのも同じなら ― いつだって死には抗ってなきゃならないってことだ。なにに替えても、俺は死なないさ。今だって、これほど死ぬのを怖がってる。キムラックに行くなんざ、狂気の沙汰じゃない」
オーフェンは肩越しにオレイルを見やると、拳を握ってみせた。たいして大きくもない拳が、かすかに震えている。
「この怖さにあいつが気づいたら、あいつに戦闘訓練を始めてやってもいいって、そう思ってるんだよ」

これまで以上に危険があるせいか、オーフェンがいつになく真剣……なのにクリーオウ、おまえってやつは……。魔術士と戦うための覚悟はとても狂気だったけど、おそらくオーフェンは追い詰められたんじゃないかしら。マジクも変な方向に思いがねじれてきたし……いったいどうなるんだ?→ 感想