執事の特権

「なにがあろうと私に触れるな。指一本触れるな。必要がない限り、半径一メートル以内に近づくことも許さない。なにかを渡す場合、たとえばそれが書類ならば、一度机の上に置け。そしてすぐに机から三歩離れろ。他の場合も同じだ。これはきみを試験雇用するうえで絶対に譲れない条件だ。できないと思うのならば、今すぐ回れ右をしてこの家から出て行け」

潔癖症のわがまま室長と、彼の秘書兼執事となった男のお話。わがまま言い放題、我慢しまくりな関係だったのに、だんだんと距離が縮まっていくあたりがすごくよかった。意地っ張りな室長が可愛いし、初めは不満いっぱいだった執事業が楽しくなってくる様子が伝わってくるのもいい。「旦那様」の反応にニヤリ、執事の特権模様にニヤリでした。→ 感想