2009-11-16 白蝶花 book ☆☆☆☆☆ 宮木あや子 「結婚は、していません。父親も、兵隊に行きました」 「……」 「一人で生きていかなきゃいけないんです、私は」 千恵子は吹雪の荒れた手を取った。 「ねえ、男の人に頼らず一人でも大丈夫だと、生きてゆけると言ってくださいませ、お姉さま。千恵子さんなら大丈夫だと、おっしゃってください」 望んではいけない恋。でも抑えきれない思い。狭間に立たされた人のやるせなさに胸が詰まる。戦時中のお話は特に……お国のために失われた命と、残されたものの悲しさと強さが印象的でした。最後に繋がっていく構成にやられた。→ 感想