精霊の守り人

「ジグロは、なんて?」
「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ、っていわれたよ。不幸がいくら、幸福がいくらあった。あのとき、どえらい借金をおれにしっちまった。……そんなふうに考えるのはやめようぜ。金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。おれは、おまえとこうして暮らしてるのが、きらいじゃない。それだけなんだ、ってね」

精霊の卵を宿した第二皇子チャグムと彼を守ることになった女用心棒バルサのお話。少しずつ解き明かされていく伝説の話がとても興味深い。別の道を行く種族の知識が、こういう形で合わさるってのはいいなあ。知識欲に飢える大人たちもいいけど、ナニも分からぬ子供が成長していく姿も素晴らしかった。最後ちょっと切ないけど、彼ならきっと……と思いたい。→ 感想