円環少女(サークリットガール)11 新世界の門

「わたし……、うまくいえないけど、わたし……」
きずなが、ついに気丈でいられなくなって膝をついた。
「こんなことしたかったわけじゃないよ。武原さんと、わたし、どこへ行きたかったんだろう」
やさしい性格が土台にあるからこそ、現実に絡め捕られた今のきずなには、仁を頭ごなしに否定できない。
「わからなくても、まずは歩きながら決めるんだ。足を止めたら死んでしまう旅が、この世にはある」

守られるだけの存在だったきずなが……逃げるところもなく、手を汚していくところが何とも辛かった。現実は残酷だ。ある程度吹っ切れたように見えた仁も、まだまだ悪人にはなりきれてないし……っていうか、いま一番辛いのは京香なんじゃないかと思ったりする。それにしてもラストはどう考えれば良いんだろう。→ 感想