俺の妹がこんなに可愛いわけがない(6)

きっと、そういうことなのだ。妹が泣いたら、泣きやませるのが兄貴の仕事で、それをずっと続けてきたから、習慣が身体に染みついてしまっている。
いまさら変えることはできないのだ。
俺にとって、桐乃は天使なんかじゃないが……生まれた時から知っている、手のかかる妹だ。
それで十分なのかもな。

これまでと同じようなツンツンしたやりとりが、どこか柔らかく感じるのは、離れたことで存在の大きさを知ったからかな。いつになく黒猫がからかいまくってて、自分が悪いと思ってるから必要以上に強く出られない桐乃が可愛かった。四つのお話しの中では沙織の話が一番好き。お約束もあるけれど、仲間を思う気持ちが伝わってきて、ほんわかする。→ 感想