伏見つかさ

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(9)

「……ごめんなさい」 「こっちこそごめん。助けてくれてありがとう。でも――ふざけんな」 ああ、ニヤニヤが止まらない。黒猫の妹視点によるお姉ちゃん話から始まり、シスコンな兄たちによる妹自慢大会とか、その逆、妹たちによる兄自慢とか、どれもこれもたま…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(8)

「もしも近いうちに、『あんたが大切にしてる女の子』から告白されたら、ちゃんと……真剣に考えてあげて」 「その子、ほんとにあんたのこと、好きだからさ」 ちょーーーーニヤニヤした!何この可愛いの!嬉しさと恥ずかしさとドキドキが伝わってくるお話でし…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(7)

「……俺さあ、おまえが何を考えてるのか、ぜんぜん分かんねーよ」 「あたしも、アンタが何を考えてるのか、分かんない」 桐乃はふいっと俺に背を向け、 「―今度紹介してあげよっか?あたしの彼氏」 兄妹のデート模様がニヤニヤだったけど、それ以上に黒猫さん…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(6)

きっと、そういうことなのだ。妹が泣いたら、泣きやませるのが兄貴の仕事で、それをずっと続けてきたから、習慣が身体に染みついてしまっている。 いまさら変えることはできないのだ。 俺にとって、桐乃は天使なんかじゃないが……生まれた時から知っている、…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)

「京介氏、たとえきりりん氏がいなくとも、我らの友情に変わりはござらん。違いますか?」 「― ハ、」つられたのか、俺もついつい噴き出しちまった。 「違いねえやな」 言うまでもねえさ。 俺はおまえらのことが、大好きだよ。 黒猫が可愛い!うるさいのがい…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(4)

「― ってそんなわけあるか!もっとマシな言い訳をしやがれっ!」 俺はびしっと指を突きつけて、赤城に突っ込みをいれた。 「おまえの妹は確かまだ中学生だろうが!どこの世界に!兄貴にエロゲーを買いに行かせるような妹が ――」 ………………………………。 「……まあ、と…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3)

「別に、珍しい話でもないでしょう。妹のことが心配でたまらなかったり、つい過保護に世話を焼いてあげたくなったり……そういうのは、好き嫌いを超越した、また別の感情だもの」 あるいは、それは、自身にも妹がいるという彼女だからこそ、言えた台詞なのかも…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2)

「でもさぁ」 ノブを掴んだところで、後ろから声が掛かった。 「アンタは、モノで釣るのがあざといみたいに思うのかもしんないけどー。そういうのって、モノがどうこうじゃなくて、自分のために何かしてくれたってとこが大事なんじゃないの?」 面白かったー…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

「…………があるの」 「なに?」 「……だ、だから、相談」 ずいぶん妙な台詞が聞こえたな?聞き間違いかと思い、俺はもう一度問い返す。 「なんだって?」 「……人生相談が、あるの」 タイトルと表紙だけで、もはや勝ちですよねー。ほんと面白かった!→ 感想

十三番目のアリス 2

「仲直りなんてしません」 「ええっ、ど、どうしてっ!?」 「奪い返すんです。ええ認めますとも、あの女が私の恋敵だと。それならもう容赦はしません」 う〜ん。もうおなかいっぱい。→ 感想

十三番目のアリス

「私……やっぱり……」 ―あぁ、覚えている。この感覚は、三年前と同じものだ。 ずっと逃げていた答えを出せと、機械仕掛けの心臓が嘲り笑っているような。 「……人間じゃ、ないみたいです……」 アリスはやおら天を見上げ、雲一つない蒼天に向かって、泣きそうな声…