2010-05-12 陽の子雨の子 book ☆☆☆ 豊島ミホ 「好きなの?」 え、と思った。多分顔に出ていた。それを見てとったのか、雪枝さんは畳み掛けるように言った。 「違うでしょ?」 中学生の男の子を拾った雪枝が、四年後に再び中学生と出会って……というお話。普通じゃない、ように思ったけれど、だんだんと思いが見えてくると、何とも言えない思いが浮かんでくる。「特別」を目指したことが歪みを生んだわけだけど、まっすぐな男の子の視線が、雪枝と聡の道を戻したことはよかった。きっと夕陽も……ね。「りんご」をころころと心で転がしたくなる。→ 感想