七飯宏隆

放課後限定勇者さま。

「お、お待ちくだされ『勇者』殿。『マンガ』だの『げーむ』だのと違って我らの言いなりにならぬと仰るのは、その、どのような意味で……?まさか『勇者』として『魔王』と戦うのがいやだとか、そんなことは……」 「『魔王』に崖っぷりまで追い込まれ、異世界か…

タロットの御主人様。5

「ほら、結夏さん」 籐子様に背中を押されて、結夏がよろけるように俺の目の前に立つ。 その距離の近さに、俺は硬直。息もできない。赤い顔で籐子様をにらみつつも、結夏もまた逃げようとはしなかった。 「……ほ、他に方法がないから、仕方なくなんだからね」…

タロットの御主人様。4

「バカ、結夏よせっ。一人でなにができる!?」 「ど、どうせバカだもんあsたし!誰がキミの言うことなんか聞くもんかっ。あたしがどうなろうと、キミはどうでもいいんでしょ!?」 「なっ……。こ、こんな時まで、なにを」 「うるさいっ。キミなんて大っ嫌いだっ…

タロットの御主人様。3

「ちょ、ちょっと待った。籐子ちゃん!夜這いって……、そ、そんなこと、誰が許すと……!?」 「あら。おかしなことを仰るのね、結夏さん!」 籐子ちゃんは急に大人びた感じの、上から目線で微笑んだ。 「あなたは秋人様の、ただの幼なじみでしたわよね?でした…

タロットの御主人様。2

「バ、バカにするなあっ。私だって、や、やる時はやるもん!」 「やるって、なにを?」 「なにをって……」 冷静にじぃーと見つめられて、私はとっさに言ってしまいました。 「す、す、す、……好きですって、言って……お、お友達からお願いしますって、申し込ん…

タロットの御主人様。

「聞いていたわね、四阿秋人。さっさとアレをやりなさい」 「やれって、……何を?」 「決まってるでしょう。その女に接吻して、『憑依』したカードを封印するのよ」 セップン?ああ、接吻か。接吻、接吻……。 接吻!? これは素敵なラブコメですね。シリアス方…

座敷童にできるコト6

「どこへ行くのだ、万里小路」 「決まっているでしょう。豊葦学園に戻るのだわ」 肩越しに振り返った万里小路は、きっぱりと言い放った。 「こうなったら力づくで野次馬さんたちを排除するしかないわ。……わたくしの学園で、断じて人死になどだしてたまるもの…

座敷童にできるコト5

どんな手段を使ってここへ来たのか。おどおどと怯えつつも決して逃げたりはしない、自分のかけがえのない〝客人〟の元へ。 互いに伸ばした手をしっかりとつなぐと、克喜が泣きそうな顔になった。 「み、未麟。その怪我……」 「バカか、おまえ!どうして来たん…

座敷童にできるコト4

そろそろ大きく動くかな? → 感想

座敷童にできるコト3

意外な事実? 感想: http://www.booklines.net/archives/4840232350.php

座敷童にできるコト 2

うなされて目覚める日が続いている。だが起きたときは何があったのか覚えていない。 あの"黒のオベリスク"に触れたときから……。 そしてまたもや「あの三人」が引き起こす騒動。今度は末の娘、よう子が言い出す。 「だって、あたし、守屋くんの彼女だよ?」 …

座敷童にできるコト

身寄りが無い高校生、克喜は、高校進学と同時に寮へ入ることになった。 新しい生活が始まる。 そんな期待に胸を躍らせ、部屋の扉を開いたら、目の前にセーラ服の女の子がいた。 何が起こったのかわからない克喜と対照的にその少女は叫んだ。 「うおぉぉっ! …

ルカ - 楽園の囚われ人たち

その施設では五人の家族と一匹の犬が住んでいた。 だが、生きている人間はひとりの少女。 その少女は、世界で生き残っている最後の人間だった……。 ちょっと変わった視点から描かれるストーリィ。 中盤までちょっと退屈な説明と展開が続くけれど、後半に入っ…