三浦真奈美

翼は碧空を翔けて 3

「難しいからって、あきらめたりしない。セシルもアンジェラさまも、そうなんじゃないの?」 「あきらめなきゃいけないことだって、あるんだ!」 なにも知らないくせに、勝手なことを言う。 そのまま食堂から出て行くセシルに、エリザベスがひとことだけ言っ…

翼は碧空を翔けて 2

「危険があるならば、陛下こそ真っ先に避難なさらなければ」 「そんなことをすれば、国王が国民を見捨てたことになる」 「いいえ。国民はきっと、理解しますとも。わたくしや王女の代わりはいますが、陛下の代わりはおりません」 母のこんな思いつめた表情を…

翼は碧空を翔けて 1

「自分だけが特別だと思っているとしたら、大間違いだ」 「そんなこと……思ってないわ」 「だったら、おのれの義務を果たせ。それが無理なら、せめて自分の行動が周囲にどう影響するかぐらい考えろ」 お転婆王女と皮肉屋な青年と純情な少年と飛行船の物語です…