宮本昌孝

みならい忍法帖 応用篇

「遺書だぜ、これ」 隼にいわれるまでもなく、美樹も雅士もとうにわかってる。 「なんだよ、二人とも深刻な顔して。いたずらに決まってるじゃないか、こんなの」 「きめつけないでよ」 「だって、美樹。パソコンに遺書だぜ。ゲーム感覚じゃないか」 「いたず…

みならい忍法帖 入門篇

「わてらの裏家業が世間さまにバレたら、どうもならんで」 「この人の口から漏れなければいいわけでしょ」 サヤカは、足もとに倒れて不安そうに彼女を見上げている隼を、チラッと見た。 「なにか考えあるのンやな」 コクッ、とサヤカはうなずいた。 「うちの…