朝倉かすみ

好き、だった。―はじめての失恋、七つの話―

「今思えば、俺の若い頃の失恋は、甘ったるかったなぁ。ただ行き違っただけ、タイミングが合わなかっただけ。きっと本当の失恋っていうのは……」 「人生が枯れて、恋そのものを失うこと」 「ほんと、俺なんて人間に恋したカバの気分だよ」 失恋ものということ…