朱門優

ある秋の卒業式と、あるいは空を見上げるアネモイと。

「どうするつもりだ?」 俺のその様子に陛下が尋ねた。 「あいつさ、俺の妹を泣かしたんだよ」 だから。 「ぶん殴ってくる」 七年ぶりに再会した義理の姉妹話と玖海神社を救うお話。別れたつもりのアネモイとの再会が嬉しくもあり切なくもあり。少しずつ見え…

ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。

「当たり前だ。きさまは日輪だぞ。水如きがきさまの行く手を阻めるものか」 ならば呼ぼう。友に手を貸してくれと頼もう。 ― 水よ。 俺を、あの娘のもとへと連れていってくれ。 あー、これほんといいわ。最後がちょっと長かったけど、笑いと切なさと感動をあ…