翅田大介

カッティング Case of Mio Reincarnation

「今、覆いは外されたり」 少女の白い指が硝子の表面を撫ぜた。 「天使のラッパが鳴った。迷いの霧は吹き払われ、偽りの殻は剥がされた。未知の森に踏み込んだ追われ人は、真実の果実を手に入れた。けど、彼は知らなかったようね。それとも忘れていたのかし…

カッティング Case of Mio Entanglement

「人はなんで孤独を懼れるのか、分かります?」 「……誰かといることが楽しいから。だから孤独が寂しく、怖くなる」 「ふふん?それはあなたが誰かということを楽しいと思っているから、ですね?」 「……まあ、そうかな」 僕が肩を竦めると、あ彼女のまた肩を…

カッティング Case of Tomoe

「……一つ聞いていいか?」 トモエは頷いた。 「僕に、何ができる?」 「……答える前に、私も一つ聞いていい?」 僕も頷いた。 「何で、急にそんな事を聞こうと思ったの?」 心の移り変わり方が見事です。次も同じような感じにするのかしら。すっげー楽しみ。→…

カッティング Case of Mio

「先輩」 「ん?」 「僕は、ミオが好きです」 「……臆面もなく言い切りやがったな?」 「はい。言い切ります」 「今も好きか?」 「分かりません。だから確かめに行きます。確かめたいと思います」 こういう文章好きだったりする。ちょっと気障だけど、いい恋…