鴨志田一

さくら荘のペットな彼女

「それって、他人に理由を求めてるってことだよな。何か決めるのに、他人が絡んでれば、失敗したときの言い訳にできるもんな。仕方ない。しょうがないって。じゃないと辛いよな。負けたときに全部自分のせいってのは。逃げ場がないってのはさ」 「俺はそんな…

Kaguya4 月のウサギの銀の箱舟

「今日はどんなありがたい言葉をくれるんだ?」 冗談のつもりで、第一声を発した。 だが、その返答は、あまりにもはっきりしていた。 「行けば、大切な人を失いますよ」 ひとり増えた共同生活のお約束っぷりが楽しかっただけに、チャイルドコードの惨劇は辛…

Kaguya3 月のウサギの銀の箱舟

「あの、宗太さん!」 「ん?」 「ほんとにありがとうございました」 「それなら、さっき聞いたよ」 「ち、違います。戻ってきてくれたことです……。遅刻したのってうそですよね?」 初々しい雰囲気にゴロゴロしたくなる。 → 感想

Kaguya2 月のウサギの銀の箱舟

「かぐや姫って何なんですか?」 「何なのかしらねえ」 「十二年も前から研究しているのなら、何かわかってるんじゃないんですか?」 「残念だけど、かぐや姫の研究は殆ど進んでいないのよ」 「どうして?」 「死んでるの。立花ひなた以外の、かぐや姫はみん…

Kaguya 月のウサギの銀の箱舟

「デート?」 「ち、違う!」 「ち、違います!」 宗太とひなたの返答は、見事に重なった。 「即答かよ」 「きっぱり言われました」 またしても、ふたりの反応がかぶった」 「いや、別に立花が嫌いだとかそういうんじゃないからな」 「い、いえ、宗太さんで…

神無き世界の英雄伝

『名をお聞かせください。わたくしは存じておりますが、皆様が納得されませんので』 コックは一度目を瞑り、よしと口にしたあとで、軽やかに名を宣言した。 「僕はレン・エバンスといいます」 『では、レン・エバンス様、わたくしと戦艦ダインスレイフを、ど…