荒野の恋 第一部 catch the tail

初めて袖を通したセーラ服。今日から電車に乗って私立の中学へ通う荒野。
ちょっとしたアクシデントから知り合った神無月悠也。
後にクラスメートであることがわかったものの、彼の視線は冷たい。


自分が何をしたのだろう?
なぜ彼のことが気になるのであろう?
これは恋なのだろうか?
好きということなのだろうか?


まだまだ自分の感情をつかめない荒野が、様々な人との出会い。
親が、敬愛している人が「男」であったこと、「女」であったこと、
それを知る事になったとき、少女の心に残ったものは・・・・・。
「恋の三部作」第一弾。


「思春期の不器用な恋」なんて随分ストレートな物語だけれど、この著者が書くと微妙にずれている。
真ん中低めとか真ん中高めに来たストレートって感じで。
悪い意味じゃないですよ。ど真ん中よりも絶好球なことだってあるんだから。
今作がまさにそれ。読んでいて、くすぐったくて、苦しかった。


秋ごろに出るらしい第二部では、荒野の十四歳の物語になるとか。
今からものすごく楽しみです。


荒野の恋 第一部 catch the tail - 桜庭一樹