西の魔女が死んだ

夏になるといろいろな出版社が出してくる夏の100冊。
この本は新潮文庫の100冊。


「わたしはもう学校へは行かない。あそこは私に苦痛を与える場でしかないの」
そう言い出したまいに、母は観念してきつく問い詰めるよりも……と、まいはおばあちゃんのもとで過ごすことになった。
魔女 - 母とまいがそう呼ぶおばあちゃんのもとで過ごす日々。


「え?魔女って本当にいたの?」
「まいの思っているような魔女とは、ちょっと違うかもしれませんけれど、本当にいたんですよ」


そしておばあちゃんから、魔女としての手ほどきを受けることになった……。


なんと素敵な物語か。
おばあちゃんへの思い。おばあちゃんからまいへの思い。
「自分で決める」ことを目的とした魔女の修行。自然と触れ合うことの喜び。
それぞれが巧みに表現されている。



ニシノマジョ カラ ヒガシノマジョ ヘ


それを読んだあとのまいの言葉。
感動せずにはいられない。


この作品で日本児童文学者協会新人賞などを受賞している児童文学系の方らしいですが、
これを児童だけに読ませるなんてもったいなすぎる。むしろ、大人が読んだほうがいい。
これは心を揺さぶられる物語です。
激しくオススメ。


西の魔女が死んだ - 梨木香歩