導きの星 Ⅰ 目覚めの大地

人類は地球外知性体に出会った。百五十年間で六百を超える地球外知性体に。
これまでのところ、地球ほど発達した文明はなかった。
では人類はどうすべきなのだろうか。介入すべきか。するならどこまで?
議論の末、法が作られた。骨子は三点。外文明の保護、育成、不接触
こうして人類の外文明支援体制の基礎ができた。
時は過ぎ、 CP - シビリゼーション・オブサーバー - の任務についた司。
サポート目的として三体のパーソエイドを連れて、自らが命名した星、オセアノに降り立つ。
そこで出会ったのは、リスのような体をもった知性体だった……。


着陸時のミスにより不接触の規律に反してしまった司たち。
そこで貧弱な暮らすスワリスとの交流。淡い恋と呼べるか呼べないかという交流。
彼らに肩入れしたいが、それは規律に反する。
そんな司の葛藤がよくわかって、非常に心ぐるしい。
見守るために離れ、時が移ろう度に降り立つということは、かつての知り合いがいないということ。
その寂しさはどれほどのものだろうか。
少しずつ発展させるよう導く文明と、どこまで関わっていいのかという葛藤。それと共に残る謎。
いやあ、すばらしい。ほんと傑作。
一章、二章、三章と、それぞれ別の時代を生きている現地の生物とのコンタクト物語。


導きの星 Ⅰ 目覚めの大地 - 小川一水


次作の感想: 導きの星 Ⅱ 争いの地平