アフナスの貴石 クレギオン 6


突然だがミリガン運送は解散した。
二人の口座に二か月分の給料を振り込んでおいた。
船は売った。私物はホテルに届ける。
ロイドは書置きを残して消えてしまった。
あまりに突然の出来事。マージもメイも呆然とする。
そして、アルフェッカ号の引き取り手が見つかったという知らせを受けたふたりは……。


「決められたことをきちんとやりとげる − これがどんなに熟練を要し、多くを学べ、人を磨くものか」
「自分の夢をかなえるためなら、周囲に迷惑かけてもいい」
こんなふたりがよくもまあ今までやってこれたものだと感心する。
むろん、そこには相手に対する敬意があるからなんだろうけど。
そんなロイドが突然の失踪。強がっていても心配をするマージ。
何より自分の船が他人にいじられることを快く思えない。
それは非常に良くわかる。共感できる。
気がつけば、乗り込んでしまうこの関係は、すばらしい。
「なんとかなるさ」
この一言でほっとしたのはメイだけじゃないでしょう。
突然の失踪から再出発までを描くシリーズ第6巻。


アフナスの貴石 クレギオン 6 - 野尻抱介


次作の感想: ベクフットの虜 クレギオン 7
前作の感想: タリファの子守歌 クレギオン 5