歌姫 -ロジエル- 白い花 黒い花

四季を司る余人の神様の愛を受けた少女たち、それが歌姫。
「冬の歌姫」のユリアは、パートナーのスイと一緒に冬の歌姫長に呼び出された。
「エイダの森」の白き花が咲かない。原因を突き止め、春を呼ぶ任務を与えられた。
春の神エイダの名を与えられているその森で、白き花が咲かないということは春が訪れていないということ。
ただし原因がわからないため、「春の歌姫」のエイダ、エマと「冬の歌姫」のスイ、ユリアが共同で作業をすることに。
ところが「春」と「冬」は相性が悪いのか、いきなりトラブルに見舞われて……。


お互いの状態が分かり合えるぐらいにまで神化率があがっている「春」のパートナーはへの憧れ。
パートナーを次々に変えてしまうスイの唯一のお気に入りだけれど、その自覚がないため、ついつい遠慮がちに接してしまうユリア。
子供っぽい感情がリアルで微笑ましい。
本作でもっとも印象深いシーンは、ナチルの頼みを一蹴したエイダの発言。


「それが私の仕事だからだ」


またこれが挿絵ぴったりで。
あまりいい印象を持たなかった「春の歌姫」たちを一発で虜にさせてくれましたよ。
少しずつ打ち解けていく「冬の歌姫」たちの健やかな成長を見届けるシリーズ第二巻。


***


前作の感想: 歌姫 - ロジエル - 禁じられた歌