滅びのマヤウェル その仮面をはずして

誰にもいえない秘密。父の願いのために、先祖代々伝わる「無式」のために。
そんなある日、一人の少女と出会った倉持ユーキ。
自らを超能力者と言ってはばからない真綾。その超能力を封じているのがユーキだという。
「おぬしの秘密をバラすぞ」
そして、不審な目で見るユーキと、倉持の謎を解くと言った真綾の奇妙な同居生活が始まったが……。


謎にあふれた美少女の真綾。愛嬌あふれる言動とは裏腹に、時折見える黒い影。
そんな場面でも和らげられるユーキのキャラはすばらしい。
後半になって突然襲ってくる変化。それまでの雰囲気ががらりと変わる。
その力ゆえの葛藤。気づいてしまったこと。己を止めて欲しいがための行動。
前半はその学園ものの雰囲気を、後半はそのスピード感を楽しめる。
いいじゃないですか。


ただ、読んでいて何となく日日日を思い出したのは何でなんだろう?
雰囲気が似てるのかもしれない(勘違いかもしれない)。
日日日好きならちょっと手にとって見てはどうだろう。
第4回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞作。


滅びのマヤウェル その仮面をはずして - 岡崎裕信