2006-06-28 刻印の魔女 book 藤原瑞記 「宿屋はどこにあるのかしら?」 女の声に促されて、トリシャはくらくらしながら眼下に広がる街を見下ろした。歩きなれた街だが、上から見るのは初めてのことだ。 「奥様、これは一体……」 馬をあやつる手馴れた様子に、さすがにおかしいと気づいた。 女は軽く首をかしげると、にっこり笑ってトリシャを見下ろした。 「その奥様というのはよして。私はサンディア・ウォレス。見ての通りの魔女よ」 素敵な雰囲気なだけに、性急な展開がもったいない。 → 感想