天涯の砦

「くそ……何が起こった」
壁に押し付けられて動くに動けないまま、二ノ瀬はうめいていた。
「もしもし、センター聞こえるか」
胸のポケットのカード型情報端末は、望天のAIを呼び出してくれるはずだ。だが、AIは答えなかった。
どこかで強烈な空気漏れが起きている音がする。
しかも体で感じられるほどの加速度。望天が加速?冗談じゃない、ビルディングが走るようなものだ。
「センター、答えろ!誰でもいい、望天スタッフ聞こえるか!」

宇宙施設で発生した事故を描く、緊迫感あふれる物語。 → 感想