パラケルススの娘 6 薔薇と小鳥たちの輪舞曲

「貴女様は触れぬがよいもの、触れてはならぬものをよくご存知のお方。触れてはならぬものに触れた者がどうなるかもよくご存知でいらっしゃる。だからこそ、お頼りしたのです。お礼を申し上げます。パラケルススの娘 ― 今は、そうお呼びするのですね?」
「そう。もしくは、クリスティーナとね」
静かにクリスティーナは言った。
「クリスティーナ・モンフォーコン。それが、いまの私だ。触れてはならぬもの、触れぬ方がよいものはよく承知している、あなたも、私も。
だから、どちらも触れぬようにして、別れようではないか。さよなら、レディ、美しき人。二度とエジプトの地を離れる必要がないように、祈ってるよ」

三人の女の子に振り回される鈍感男が楽しくてしょうがないです。→ 感想