学校の階段 5

「あのっ……」
万感の思いを込めて、凪原が顔を上げる。けれど、言葉は出てこない。
ガシッ。
井筒がバトンをつかんだ。凪原はビクッと震える。だが、井筒はそうっとバトンを自分の方に引き寄せた。凪原の手が自然に解ける。井筒は凪原の目を見て言った。
「任せろ」

レースはきっかけにすぎない。恋に頑張る少年少女のお話でした。いいねぇ。→ 感想