ゆらゆらと揺れる海の彼方 9

「簡単な引き算もできないのか、お前は。ゼルツタール公もゼッキンゲン公も動けない。ならば、残るのは誰だ?」
「え……?」とさらに首をひねったオスターデはしばし考え込んでいたが、ようやく答えに気づいたらしい。
「だから最初に言ったろうが、ここからは少々込み入った話になると」
はっとしたように見つめてきたオスターデへ、シュニッツラーは薄笑みを浮かべていった。
「動いたのは、ずっと沈黙を保っていたヴァルネミュンデ公だ」

また一気読みさせられた!ジグルドの話になるはずが、いろんな人にドラマがあって、面白かったです。 → 感想