鋼鉄の白兎騎士団VI

「この時期に入団試験とは、どういうことなのでしょう?」
「異例のことに思えるかもしれないがね。前例がないわけではない。それにさ」
レフレンシアが意味ありげな視線をガブリエラに向けた。
「今年の入団生は十人しかいなかっただろ。誰かさんのおかげで」
「はぅっっ」
ガブリエラが、見えない鉄槌に殴られたかのように大きく仰け反った。
「本当は二十、三十人は入団する予定だったんだ。誰かさんが、あんな無茶なことさえ言い出さなければ」
「がふぅっっ」
「その上、誰かさんの大活躍のせいで、団員が半減してしまっただろ?」
その場に膝を落としたガブリエラは、両手を床に着き、ふるふると小刻みに体を震わせた。
「酷い、酷すぎます、レフレンシア様。何もかも全部、わたしのせいのように仰るなんて……」

入団試験を遊撃部隊が担当するって話ですが、まさかまさかそんな展開が待ち受けているとは思わなかった。予想の斜めっぷりが素晴らしい。 → 感想