人柱はミイラと出会う

「ミイラにした?」どういうことだろう。「ミイラには、たまたまなったんでしょ?」
「気候的にはね。でも、あの死体は防腐剤と一緒にされてたでしょう?冷え切って乾燥した室内。防腐剤と一緒に保管された死体。これってミイラの製造工程そのままじゃない」
「あ……」ぞくりとした。
「たまたまミイラになったというよりは、ミイラを作る意思があったと考えたほうがよさそうじゃないの」
リリーは反論できなかった。
「犯人は、どうして死体をミイラにする必要があったのかしら?」

人柱やお歯黒、参勤交代など、昔の習慣が残っているパラレルワールド日本で起きるミステリー短編集。捻くれた設定が、魅力的な謎となるお話が良かったです。 → 感想