狗牙絶ちの劔1 刀と鞘の物語

刀は刀身の半分ほどが胸に刺さっていた。ということは、疾うに心臓まで達しているはずだ。どころか、切っ先は背中に飛び出しているだろう。
だが、彼はまだ死んでいない。
な……なんで生きて……るんだ、俺は!?
のろのろと視線を移動させた俊が、力ない視線を香月の顔に当てた。
彼女は、なんとも形容しがたい奇妙な表情で、俊が思ったのと同じことを口にした。
「……なぜ君は……まだ生きて……いる!?」

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