“文学少女”見習いの、初戀。

「い、一年二組の日坂菜乃です……っ。わたしを文学部に入部させてください!わ、わたし、好きなんですっ!本が」
井上先輩は、目を丸くしていた。
こうしてわたしは正式な文芸部員になり、遅い初恋を自覚したのだった。
わたしがはじめて好きになった人、それは井上心葉というのだった。

心葉の後輩が文学部にやってきて、という外伝。猛烈にアタックをする菜乃のたくましさが楽しいですが、「曽根崎心中」がネタとなるお話は重かった。やるせないけど、それでも踏み込むことをしなかった「彼」の決意と贈り物に涙。→ 感想