花守の竜の叙情詩

「どうしてその名で呼ぶの?<エパティーク>はあの日、お母様たちと共に死んだのよ。私の名はアマポーラ。あなたがくれた名前。エレンが呼んでくれる名前。あなたがどんな思いでこう呼んでいたのかなんて、もういいの。どんな場所に咲いたって、雛罌粟は美しい花だもの」

世間を知らぬ敵国の姫と、周囲に疎まれる第二王子が、竜を呼ぶ伝説になぞらえて旅するお話。どちらも子供で、周囲に棘を向けていたけれど、現実を当たりにしていくうちに変わっていく描写がいい。最後は切ないものでしたが、でも温かいものが残るお話しでした。→ 感想