癒しの手のアルス―嘘つきたちが駆けていく

「『癒しの手』の……アルス、なのか?お前が?」
「あいにくですけど、あたしの名前はアイリスですわっ!だってアルスは」
アイリスの顔に悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
「あたしが男の格好をしてるときの、名前ですもの」

放浪の治癒能力者アルスを巡るお話。嘘つき具合が軽薄さを見せるんだけど、時折見える本音にアルスの弱さが見える。そんなアルスに騙されてあげるアーウィンの優しさがよかった。このふたりだからこそ、騎士たちも心を許したんだろうなあ。ラストにじんわりきたけど、彼等は嘘つきだから、きっと……ね。→ 感想