渡瀬桂子

ある日、月の夜に。 ―わがままな魔女と人狼の騎士―

「お前だけだ。俺を、俺の目を、ちゃんと見ながら話しかけてきたのは」 これは楽しかった。肩肘ばっかり張っている少女と、彼女の傍で、何かと世話を焼いてあげる半人狼の主従カップルは、本人たちは口喧嘩してても、外から見ると、甘えてることがわかるから…

キスからはじまる契約魔法 少年魔法人形

「……ねえ、ラス」 「なんですか、マスター」 「今まで、こんなことに巻き込まれて面倒だとか嫌だとか厄介だとか思ってたんだけど」 「すみませんね、面倒で嫌で厄介なことに巻き込んで」 「でも、でもね、ちょっと今……わくわく、してるかも」 超楽しかった!…

癒しの手のアルス―嘘つきたちが駆けていく

「『癒しの手』の……アルス、なのか?お前が?」 「あいにくですけど、あたしの名前はアイリスですわっ!だってアルスは」 アイリスの顔に悪戯っぽい笑みが浮かんだ。 「あたしが男の格好をしてるときの、名前ですもの」 放浪の治癒能力者アルスを巡るお話。…

アタシの先生。

「貴方ノ言ッテルコトハ、所詮キレイゴトニスギナイ」 「そうかもな」 そのとき先生は、唇の端でにやりと笑った。 「俺はな、きれいごとを胸張って言うために、教師になったんだよ」 隣に住んでる担任教師は陰陽師だったというラブコメ。生徒にからかわれる…