我が館にさまよえ虚像 魔術士オーフェンはぐれ旅(18)

「……勝てねぇよ」
彼がつぶやくまでには、師のゴーストは消滅していた。
「先生は最初から最後まで不完全なただの人間だったさ。ゴーストじゃない。彼を理想型に仕立て上げていたのは俺たちだ。だが今の俺は先生の強さの限界を知っている。だから俺が後継者だ。ダミアン・ルーウ。過去を力とするお前は、俺には勝てない」

領主のみならずダミアンもうさんくさくて、それにもかかわらず信者のように心酔する人たちの認識のズレが、なんとももどかしい。クリーオウやマジクとの確執もアレだけど、オーフェンはもうちょっと早く、マジクに対して言葉を投げかけてあげればいいのにと思った。過去を向く人と、未来へ向かう人の戦いが、こういう形で決着つくとは……さて、これで予言が成就するのか?→ 感想