天涯のパシュルーナ(2)

「殿下、お気を付けて。これから殿下が向かわれる王宮には、ヒルクィットどののような人間がいっぱいいると思います。けっして油断なさらぬよう」
ヒルクィットが……いっぱい……?」
「まあ、あの方よりは小者だとは思いますが」
「でも、いっぱい……」
子供のような口調でそう呟いたトゥラルクが、シュムルの手を強く握りしめて叫ぶ。
「頼む、シュムル!一緒に来てくれ!俺一人じゃ耐えられない!」

トゥラルクが持ち込むやんごとなき出来事を解決していく展開がやばいぐらい楽しい。物事に囚われないトゥラルクだからこその発想と、それを実現させていく陰険ヒルクィットは、実は良いコンビだよね。敵対する人たちにむしろ同情してしまう。目立つなと言われたのに、目立ってしまうから、さらに前途多難になってくみたいだけど……さてどうなるかしら?→ 感想