闇の守り人

「あの子の用心棒をしているうちに、わたしは、ふしぎなことに気づいたんですよ。自分の命さえあぶない、恐ろしい仕事だったのに、チャグムを守っているあいだ、わたしは、幸せだったんです。……ほんとうに、幸せだった」
バルサは、かすかな笑みを浮かべた。
「あんなふうに、自分の人生を使うのも、わるくないんだと、わかったんです」

故郷でバルサが過去と向き合うお話。運命なんて都合のいい言葉で片付けて欲しくないけれど、でもやっぱり運命だよなあ。少年の決意に熱くなり、「舞い手」を継ぐ者を決める戦いにしびれ、全てが終わった後に、温かいものを感じました。よかった。→ 感想