蒼空時雨

「あんたさ、もしかして結構、おっちょこちょい?」
俺の言葉に、階段を踏み外しそうになった彼女は申し訳なさそうに頭を掻いて。それから、あどけなく微笑んだ。
「右足が先走ってしまいました」
面白い表現を口にする子だなと思った。

倒れていた女の人との同居生活から始まる物語。心地よさと惹かれあう気持ちのあとに見える秘密にびっくり。別のところに話が飛んだときには、ちょっとアレだったけど、そこで見えた恋の話も涙を誘ってくれる。お姉さん話が好きだ。ぐるりと回って最後に届いた思いに、にっこり。このお話しで降る雨は、なんて優しいんだろうと思いました。→ 感想