君がくれた世界 wonder wonderful

「なにする気だ、お前」
ルカナートの前で腰に手を当て、シルヴィアナは笑った。
「友達はいないし、恋の前途は多難で、階級って壁は心底面倒だけど、こっち側を見せてくれて感謝してるわ。だから、足掻くわ。まだなにとも戦っていなかったもの。足掻いて足掻いて、いつかあの人が階級なんて忘れてしまうくらいに、どうしても諦めきれない私になってやるわ」

四編あるけど、何と言っても素晴らしいのは、シルヴィアナの物語です。ルカナートによって気づかされた自分の立場に嫌気が差して、そんなときに出会ったライナスのおかげで、意識が変わって。弱くて、泣くときもあって、おごりを恥じることもあるけど、負けなかった彼女の姿に、涙が溢れる。お幸せに。→ 感想