ハイドラの告白

「この町には、知人に会いに来た、と言ったでしょう。具体的に言うと、実のところ俺は、布施正道に会いに来たんですよ」
一瞬、彼が何を言っているのか分からなかった。
顔を上げて俺を見る由良の瞳が、どこかからのわずかな灯りを反射して、暗がりにうずくまる肉食動物のそれのように鈍く光った。
「あんたもそうなんでしょう?」

事情は分からずとも共通の目的から手を組む二人のやり取りが、楽しくドキドキさせられる。ちょこっと出てくる女の子がとても可愛かったなあ。ただ、話としては中途半端な気もする。後半に入ってからの恋は、独占欲丸出しが怖くもあり、恋だなと思いました。→ 感想