悪役令嬢ヴィクトリア お菓子な幽霊屋敷

「だからそんな風に思われて、大事なフロイライン・レナーテがいなくなってしまったのは、とても寂しくて悲しいことだったと思うよ。― フロイライン・ヴィクトリア」
名前を呼ばれて、あたくしは顔をあげる。
寒さの、せいかクラエスの顔は青ざめて見えた。でも瞳はしっかりとあたくしを見据えていた。
「私は、大事なものを手放したくない、絶対に」

やばい。とてもニヤニヤだ。クラエスを意識しているのに、クラエスの思いに気づかないヴィクトリアが可愛いったらない。第一王子の天然っぷりも楽しかったけど、彼の元・調香師であり思い人のレナーテの、暗い様子から変わっていく様も良かったです。クラエス、兄ができたんだから、きっと君も大丈夫だよ!と応援したくなった。→ 感想