菅原りであ
「差し伸べられた手を握ることは、人をあてにすることじゃないよ。信じることだと思う。花洗う雨のみんなは、信頼できる人たちだし、私もきみにとって、そうでありたいと願っている」 シリーズ最終巻。身分違いの恋に引け目を感じて、いつになく弱気になった…
「だからそんな風に思われて、大事なフロイライン・レナーテがいなくなってしまったのは、とても寂しくて悲しいことだったと思うよ。― フロイライン・ヴィクトリア」 名前を呼ばれて、あたくしは顔をあげる。 寒さの、せいかクラエスの顔は青ざめて見えた。…
「もうフォスター&モークリーをアニンシアにのさばらせたりはしない。セリーナやシュターミッツ子爵の好きにはさせないわ!紅茶で勝負するの。あたくしは負けなくってよ!フォスター&モークリーが、子爵がどんな卑怯な手を使ってきたとしても、絶対に屈し…