破小路ねるのと堕天列車事件

「いや、破小路。そう捨てたもんでもないと思うぞ。着眼点はよかったし、点在する事実から作り上げたストーリーも、さすがというしかないレベルだ。まあ、娯楽半分の推理会だから、最終的にはおもしろければ目的の半分は達している。気に病むな」
そう言って、先輩は力強く笑った。
「さあ、それじゃ、あたし……牛越瞳の推理を聞いてもらおうかな」

文芸部のねるのさんに告白して付き合うことになったある日、学校の校舎の屋上に、一両の電車が突き刺さる事件が起きて、というお話。意外や意外に面白い。事件の謎について、文芸部の先輩とねるの、そして主人公の三人が推理を披露するところとか、おお、と思った。少ない情報からの推理は、妄想といっていいぐらい強引なんだけれど、どうしてどうして魅力的。ありえないと思いつつ、ワクワクさせるものがある。結末は……、まあ、その、なんだ。→ 感想