北前船始末 緒方洪庵 浪華の事件簿

「章がいなくなると、寂しくなる」
「左近殿……」
左近が立ち止まって、章に向き直った。
「早く一人前の医者になって帰ってこい。そうしたら……」

あの頼りなかった男が、左近との出会いからこんなにも変わるなんて……でも、左近に対しては、一歩踏み切れない辺りは、にやりにやり。左近は憎からず思ってるだろうけれど、実際どうなのかなーと思いながら読んでましたが、あの場面であそこまで真っ青になるんだったら、ね。うん。それぞれの道のりが違うから、どうしたって一言つげるのは難しいけれど、でも、いつか……とそう思いたいです。→ 感想