てのひら一文 ― 寺子屋若草物語

「確かにお役人は金に汚いし、お金持ちは身勝手や。そやけど、商いで儲けたお金を学問所に注ぎ込んで、貧しいひとに学問の機会を与えようて考える金持ちもおる。筋の通らんことがどんだけ多くても、お金持ちにもお役人にも、本当に町の者のことを考えてくれるひとはいるはずやわ」

寺子屋の夜学もの。三姉妹でもり立てて、長屋の人たちとの交流を描きつつ、きかん坊な子どもたちの先生になり。読み書きそろばんだけでないものが身につくこの慣わしいいですね。すれ違いを描き、淡い恋を描き、厚い友情を見せながら、大阪という町を見せて貰ったように思います。派手さはないけど良かった。→ 感想