火の国、風の国物語(10) 英雄再起

「言っておくがな、アレス。毎日のようにお主と訓練していたわしには分かる。お主の剣の太刀筋、戦場での立ち居振る舞い、それはすべてお主の訓練と経験の賜だ。お主から何が失われたかは知らぬ。だが、お主が歩んできた道を否定することは出来ぬぞ。それはお主とわしとで作り上げてきた結果だからだ。お主が否定しようとわしが肯定する。それだけは覚えておけ」

英雄再起!うじうじ状態だったアレスを立ち直らせる為、様々な人が駆けつけたけれど、やはり年配者に分があるか。挫折を知らない若者が、先人の行動から少しずつ自分を取り戻し、守るべき者の言葉で奮起し、背中を預けられる人の存在を知った。アレスはたぶんこれまでとは異なる形で強くなったと、そう思いました。サブタイトルの割に興奮度合いは低かったけれど、次はきっと、と思わせる終わり方なので、楽しみです。→ 感想