ウィザーズ・ブレイン(3) 光使いの詩

「君がこの剣でどれだけのことを為したとしても、君の罪は決して消えない。君の剣はこれから先も数え切れないほどの命を奪い、悲しみを生むだろう。人は君を兵器と呼び、恐れるだろう」
祐一は、剣の柄をディーの手に握らせ、
「それでも戦え。罪も痛みも、すべて背負って生きろ。強さとは……たぶんそういうことだ」

なんという運命のいたずら。敵として追いかける相手の娘と、良い仲になってしまうなんて。出会ったことがふたりにとって良い方面に動いていただけに、真実を知ったらと思うとやるせない。娘に本音で当たれない母の思いも、後々を思うと……。それでも、わずかではあったけれどすれ違いをただし、幸せを感じられる時間があって良かった。きっと少女にとってのこれからの支えになるだろうから。「姉」もまた、再会があるならきっと……そう思いたい。→ 感想