ウィザーズ・ブレイン(5) 賢人の庭(下)

「だから ― この世界が私を認めないというのなら、私は喜んで世界の敵になろう」

犠牲を良しとするか、それとも居場所を作るか。二つの正義はどちらも間違っていないだけに迷うことだけれど、血まみれになりながら、ぼろぼろになりながら、それでも胸の内をよりどころに戦い続ける二人が、美しかった。そしてもうひとり、手を汚してしまったディーの決意は、もしかしたらという不安を抱いたけれど、「きらいです」という、上巻でも聞いた言葉が、まるで別の意味に聞こえる恋があれば大丈夫だと思いたい。宣戦布告に血が踊り、月夜はどうなるんだろうと思い。続きが楽しみ。→ 感想