桜嵐恋絵巻 〜水底の願い〜

「それにしても、あなた独りで、いったいどうするの?何もできないでしょう。誰か連れてこないと」
「……誰にも言ってないもの」
「え?」
「言ってないのよ。……黙って出てきたの」
詞子が目を瞬かせる横で、雅遠が何か納得したように、大きく頷く。
「ああ、家出か」

帝の子が生まれるというところから動き出す勢力図が、雅遠にとっては良い方向に動いてきたなー。なんだかんだ中間の位置にいて頼りやすい・使いやすいよね、雅遠は。ちょっとずつ家族とのわだかまりもなくなってきたし、次は最大の難所である母かしら。楽しみです。→ 感想